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ミネラルとは

ヘルスケアの知識(ミネラルの知識)

1. ミネラルとは

ミネラル(mineral)の語源はmine(鉱山、鉱石などの意)に由来しています。別の言い方をすると鉱物あるいは無機物とも言われます。元素周期表にある元素のうち、有機物の構成要素である水素、酸素、窒素、炭素を除いたすべての元素を指します。栄養学におけるミネラルも、有機物に含まれる4元素以外に人体にとって欠かすことのできない元素、つまり人間の身体に有用な無機物のことをミネラルと呼びます。

宇宙誕生から悠久の時を経て、地球、生命、そして人類が誕生してきましたが、その過程において全てにミネラルが深く関わってきました。それを証拠に、人体には多種類のミネラルが存在し、それぞれが重要な働きをしています。人間の身体は約60兆個の細胞で構成されていますが、不思議なことに大宇宙の星も約60兆あると言われています。

さらには、 人体の細胞一つ一つを見てみると分子、原子、中性子、電子すべてにおいて球体です。まさに人体が小宇宙と呼ばれる所以です。
地球上で初めて誕生した生命はミネラル成分からです。進化していく過程で陸に上がった生物は海水とほぼ同じミネラルを保持していました。人間の汗、涙、血液には塩分即ちナトリウムが多く含まれているのもそのせいです。

では「鉱物」や「無機物」としてのミネラルについて掘り下げてみましょう。鉱物というと岩や金属をイメージしますが、元素同士が核融合してエネルギーが発生し燃え残ったものが鉱物となります。元素とはこれ以上分解できない最も基本的かつ単純な構成要素のことです。無機物とは有機物(加熱で黒くこげて炭になる物質=酸素と結合して燃えると二酸化炭素と水を発生する)でない物質です。太陽や地球も長い時間をかけてさまざまな元素物質から複雑な鉱物へと進化しながら誕生した天体です。地球上では激しい温度変化や宇宙からの放射線などの影響を受けながらさまざまな化学反応が起こり、徐々に高分子化された有機物へと進化し、生命誕生の材料となるアミノ酸、蛋白質、核酸などを生み出しました。言うなれば、人類はミネラル成分から生まれた星の子供と言っても過言ではありません。

また、ミネラルは五大栄養素の一つですが、その中でも最も重要で中心的な存在です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2005年)」では13種類のミネラル(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・ヨウ素・リン)の摂取基準を定めています。この13種類を見てもわかるように、ミネラルは金属元素であることもわかります。つまり、栄養素としてのミネラルは化学的には金属でもあります。金属といっても人体に存在する金属元素は非常に微量です。近年の質量分析装置の開発によってマイクログラム(0.000001g)やナノグラム(0.000000001g)単位での超微量金属の計測が可能になりました。

このことから、超微量金属(ミネラル)がいかに人体に重要であるかがわかり、バランスがとれていれば健康維持に大切な存在であることが明らかになりました。人体とミネラルは実に不思議な関係性があるのです。

病の原因はミネラル不足?

~ポーリング博士の言葉~

すべての病気を追求すると、
すべてがミネラルの欠乏に辿り着く。
ミネラルは単体では有効な働きができない。
人体の健康維持には、
調和のとれた多種類のミネラル摂取が重要である。

Linus Cral Pauling

20世紀における最も重要な化学者として広く認められているのがポーリング博士です。博士は、米国の量子化学者、生化学者、結晶学者、分子生化学者、分子生物学者、医療研究者といった多分野に渡る研究者で、1954年にノーベル化学賞、1962年にはノーベル平和賞を受賞しています。博士の多方面の研究は、当時の科学界などに大きな影響を与え、現在でも多くの研究者が学術誌などで博士の著書を引用しています。特に注目したいのは、無機物(鉱物ミネラル)と生物の関連性における研究であり、世界で初めて「生物と無生物の間の失われた環」を解明した先駆者として知られています。博士は、無機物である鉱物から抽出した多種類の複合ミネラルが、人体に大きな作用と影響を及ぼしていることを突きとめました。

ミネラルは五大栄養素の中心

五大栄養素とは、蛋白質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルであり、どれも人体にとって欠かせないものです。ミネラル以外の4栄養素がそれぞれ連携を取りながら人体で働く際、十分に機能するための調整役、言い換えれば、触媒としてミネラルが存在しています。つまり、蛋白質やビタミンなど他の栄養素を多く摂っても、ミネラルが無ければ意味がないということになります。
生体組織の構成や生理機能の維持、調整をする触媒としての働きを考えると、ミネラルが五大栄養素の中心的存在であり、生命維持の要であることが分かります。

微量ミネラルと超微量ミネラル

人体の約7割は水分であり、酸素が一番多く65%です。
そして多い順に炭素18%、水素10%、窒素3%、この4元素で全体の96%です。続くカルシウムからミネラル成分となります。4元素にカルシウムとリンを合わせて多量元素と呼びます。続いて硫黄、カリウム、ナトリウム、塩素、マグネシウムまでが少量元素と呼び、ここまでの11元素全体の99.4%を占めます。体重1gあたり1~1000マイクログラムの割合で存在する元素を微量ミネラル、1000ナノグラム以下の割合で存在する元素を超微量ミネラルと呼びます。これらは、ほんのわずかな量で存在することに意味があります。しかも、微量ながらこの割合のバランスも非常に大きな鍵となります。

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